夜の闇に潜むのは、ただの影か、それともこちらを見つめ返す“何か”か。
『リトルナイトメア3』は、小さな子どもたちの視点から描かれる悪夢の世界を舞台にしたサスペンスアドベンチャー。
その新作をTGS2025で試遊した。
ざわめく会場にいながら、ヘッドホンの向こうには冷たい月光に照らされた恐怖が広がっていた――。

ライター/ねりけし

リトルナイトメア3とは


『リトルナイトメア』シリーズは、小さな子どもの視点で描かれる悪夢の世界を舞台にしたサスペンスアドベンチャー。
プレイヤーは常に非力な存在として、巨大で異形の影に追われ、隠れ、逃げながら進んでいく。その「小ささ」こそが恐怖を際立たせる。

物語は言葉では語られない。環境の描写や仕草、音の断片だけで進み、プレイヤーは自ら解釈しながら物語を紡いでいく。
童話めいたビジュアルに潜む不気味さや、足音や呼吸音といった環境音の演出が、常に背筋をざわつかせる。

そして舞台は“3”へ――。

“ともに行こう、子供のころの悪夢へ”。
最新作『リトルナイトメア3』は、美しくも恐ろしい世界での新たな冒険譚だ。

物語の舞台は、不気味な空間【ノーウェア】。
そこに閉じ込められた ロゥアローン のふたりが主人公となり、協力しながら脱出を目指す。

トラップを避け、時には敵に立ち向かいながら、妄想に満ちた危険な世界を進むふたり。
果たして彼らは、この悪夢のような空間から生き延びることができるのだろうか。

製品概要

タイトル:リトルナイトメア3
開発会社:Supermassive Games
プラットフォーム
 ・Nintendo Switch
 ・PlayStation®5 / PlayStation®4
 ・Xbox Series X|S / Xbox One
 ・PC Digital
発売日:2025年10月10日(金)
プレイ人数:1人(オンライン時は2人でのマルチプレイも可能)
レーティング:CERO D(17歳以上対象)
価格
通常版 4,500円(税抜)
デジタルデラックスエディション 5,900円(税抜)
超特装版 10,300円(税抜)
※Steam版はオープン価格

『リトルナイトメア3』3つの特徴


特徴①:新しい主人公たちが織り成す、新しい物語

今作『リトルナイトメア3』では、過去作に登場した「シックス」や「モノ」とは異なる、新たな主人公ふたりの物語が描かれる。
シリーズ作品ではあるものの、物語は独立しており、過去作を未プレイでも本作から楽しめる内容になっている。


アローン


ロゥ


特徴②:シリーズのコンセプトは健在

『リトルナイトメア』シリーズの核である “チャーミングホラー”――「かわいいのに怖い」という独特の世界観は今作でも変わらない。
童話めいた不気味さに満ちた舞台を、謎解きやギミックを乗り越えながら進んでいく、シリーズのベースとなる遊び方もしっかり受け継がれている。


特徴③:シリーズ初の協力プレイ

『リトルナイトメア3』では、シリーズで初めて CO-OP要素 が導入された。
友達とオンラインで協力しながら進めることが可能になり、恐怖を共有しながらプレイできる新しい体験が加わっている。

もちろん、ひとりで遊ぶことも可能。
ソロプレイ時はAIがパートナーを操作するため、従来通り「ひとりで悪夢に立ち向かう緊張感」も味わえる。

TGS2025ブースレポート:『リトルナイトメアIII』の世界観を体感


バンダイナムコブースの一角に設けられた『リトルナイトメア3』の試遊スペースは、まさに“リトルナイトメアらしさ”にあふれていた。
抑えられた照明の中に立つ巨大な手の展示物、独特のユニフォームに身を包んだスタッフ――その光景を一目見れば、誰もが「ああ、リトルナイトメアの世界だ」と直感するだろう。

さらに新主人公アローンとロゥを模したペーパークラフト製の帽子も配布され、来場者自身がブースの一員となって楽しめる仕掛けが用意されていた。

印象的だったのは、試遊しているプレイヤーの女性比率の高さだ。ビジネスデーや時間帯といった要素も影響しているかもしれないが、少なくとも半数近くが女性に見えた。
「かわいいのに怖い」――その“チャーミングホラー”の魅力が、女性プレイヤーを惹きつけているのかもしれない。

『リトルナイトメア3』をプレイして感じた探索の雰囲気


それでは、ここから実際に試遊して感じたことを綴っていこう。
プレイ前に、二人の主人公のうち、どちらでプレイするか選択することができる。
スパナが武器のアローンと弓が武器のロゥ。
筆者は、近接の武器で敵をなぎ倒すのが好きなので、アローンを選択した。
ただ、ここで一つの不安がよぎった。それは後ほど語らせてもらう。

舞台は、サーカス小屋のようなところだった。
各所にテントが配置され、電飾が施されている。周囲にはリトルナイトメアで、おなじみの醜悪な見た目をした巨大な大人たちが徘徊していた。

雰囲気は、まさにいつものリトルナイトメア。陰鬱な雰囲気とデフォルメされた化け物。
そして、生き抜こうとする小さな子供たち。

手触りはどうだろうか?
ゆっくり歩く、走る、掴む、そして押す。小気味よく動く主人公たち。このプレイ感覚は本シリーズでしか体験できない気持ちよさだ。
怖さの中にも美しさを感じる映像を楽しみながら、ギミックを解き先に進んでいった。

『リトルナイトメア3』で初めての“戦い”を体験してみた


進んだ先には、主人公たちと同サイズの敵キャラクターが待っていた。
おそらく、本作からの追加要素”武器で倒せる敵”だと直感した。

操作キャラクターアローンの武器は、スパナ。
自分の背丈より少し小さいくらいの巨大な獲物を構えて、襲い来る敵に殴り掛かった。

……当たらない。攻撃をうまく当てることができなかった。
当てられないうちに、敵に捕捉され、そして死を迎えてしまう。
この作品はリトルナイトメア。HPなんてものはなく、失敗はそのまま死となる。

何度繰り返しても敵を倒すことができない。
ここで見かねたスタッフさんからアドバイスが。
「リトルナイトメア3は二人で協力して進んでいくゲームです。」

なるほど。
ロゥと一緒に戦えということか。
操作キャラクターのアローンをいったん前線から引かせてロゥに任せてみた。
すると、ロゥが背中から弓を取り出し、敵に狙いをつけて矢を発射。
矢は、敵の頭に命中。矢の衝撃で敵の頭が床に落ちる。

そこで筆者は、とっさに残った体をスパナで攻撃。見事撃破……のはずだったのだが、またもスパナ攻撃は外れてしまい、残った体に返り討ちにされてしまった。

ここで、またスタッフさんからのやさしい助言が。
「体に攻撃しても効果はありません。」

なるほど。
頭をつぶせということか。
前回と同じように、ロゥの弓矢が敵の頭を貫く。床に落ちる頭。それをスパナでぶったたく!
……また外してしまった。そして失敗。
しかし何度が繰り返すうちに、頭をスパナでとらえることができるようになり、無事に敵を撃破することができた。

前述していた不安。
それは、無力な子供たちを操るリトルナイトメアの魅力が、”戦える”ようになることで、失われるのではないかということ。
しかし安心することができた。あくまで攻撃はギミック解除方法の一つ。
攻撃して無双!のような、ただのアクションゲームにはなっていなかった。

気がつけば試遊時間は終了。約15分、夢中になって過ごした時間はあっという間に過ぎ去っていた。

まとめ:『リトルナイトメア3』が示した新たな悪夢


TGS2025での試遊を通じて感じたのは、シリーズらしさの継承と、新要素による進化だった。
「かわいいのに怖い」というチャーミングホラーの世界観や、不気味な大人たちに追われる緊張感はそのままに、協力プレイや“戦える”要素が加わることで、体験の幅が広がっていた。

ただのアクションゲームに変わってしまうのではという不安も、実際にプレイしてみて安心に変わった。戦闘はあくまでギミックの一部であり、プレイヤーは依然として無力な子どもたちの視点で、恐怖と向き合わざるを得ない。

短い試遊時間にもかかわらず、緊張と没入感は強烈で、気づけば会場のざわめきが遠のいていた。
新しい主人公ロゥとアローンが織りなす物語が、この先どんな悪夢を見せてくれるのか――発売が待ち遠しい。

『リトルナイトメア3』は、2025年10月10日(金)発売予定

引用・参考情報について

本記事で使用したスクリーンショットおよび画像は、バンダイナムコエンターテインメント公式にて配布されているプレス用素材、およびTGS2025会場にて撮影した写真に基づいています。
記事内のゲーム仕様や特徴については、TGS2025での試遊体験および公式ページ・各ストアページに記載された情報を参考にしています。

※PlayStation、PlayStationロゴ、PS5、PS4は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。
※Nintendo Switchは任天堂の商標です。
※Xbox Series X|S、Xbox Oneは米国 Microsoft Corporation および/またはその関連会社の商標です。
※PC版はSteamなど各プラットフォームの配信規約に基づきます。
Little Nightmares™III & ©Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S.